ビジネスプロデューサー道場―組織を動かすイノベーション行動の「型」を学ぶ

ビジネスプロデューサーは、企業内で新しいビジネスを立ち上げ、イノベーションを実現する仕掛け人です。近年、企業がイノベーションを起こせなくなった理由として、短期の成果を求める狭義の成果主義のもと、リスクが大きく成功まで時間のかかる新事業への挑戦が敬遠されてきたことが挙げられます。このことは、将来的にビジネスの現場から新事業の立ち上げを経験した人材がいなくなってしまうことを意味します。企業ならではの大きな構想をもとに、多くの人がかかわるビジネスを生むイノベーション行動の技術が、日本の企業から消えていこうとしています。
本研究は、イノベーション行動科学研究プロジェクトの一環として、企業内のビジネスプロデューサーの行動を調査し、イノベーション実現に寄与する体系的な技術の構築を目指しています。これはまた、企業にアイデアと組織のハンドリング技術、人の関係のマネジメント、未来を把握する技術を持った新たなリーダー像をつくりだしていくことにほかならないのです。
- 担当研究員:秋山 進(あきやま・すすむ)
- 国際大学 GLOCOM客員研究員/プリンシプル・コンサルティング代表取締役

- “事業開発のやり方”といった類の本に書かれている分析手法を実際に使っている事業開発プロデューサーなどいるのだろうか? もともとの問題意識はそこにある。少なくとも私は使ったことがない。確かに分析は会社を説得するための材料としては使うが、その程度のものにしか過ぎない。より多くの筋の良い顧客に会い、たくさんの意見交換をし、ウォーッとひらめき、屁理屈を使って予算をひねくり出し、チーム内でケンカしながら多くの試作物を作り、売り先を求めて彷徨う。論理と分析ではなく、情理と積極的な行動によって生み出される実際の"事業開発の技術"の体系化を今年も進めていきたい。
【主な経歴】リクルートにおいて、就職サイト事業(現リクナビ)や技術移転事業などを企画。独立後は、コンピュータによる能力測定事業、コンプライアンス関連事業などを手がける。GLOCOMではビジネスプロデューサーの行動研究を行う。