Blog@IBS(イノベーション行動科学)

19Dec2009

『<事務局力>特別ワークショップ』(12/15)、素晴らしい参加者の皆様のご協力により、大成功でした!

Category : 事務局力

『<事務局力>特別ワークショップ』で全員に配られた、「ニッポンの事務局」名刺。あなたはニッポンをどのように変える?さぁ、自分の事務局を勝手に開こう。

「事務局」のイメージってポジティブ? ネガティブ?

これが本ワークショップのテーマだった。50名を超える参加者の皆さんは、もちろん事務局のネガティブな面を理解しており、それでも、「事務局によって組織は大きく変わる」と信じて行動しており、さらには「事務局ほど面白い仕事はないよ」という達人も少なくなかった。

当日の話の内容は、参加者の一人の水谷さんによるメモが、何より分かりやすい。ぜひ、ご覧になっていただきたい。

では、どうぞ。

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特別ワークショップ参加メモ
「裏方ほどおいしい仕事はない!」
2009年12月15日 (c)Mizutani, 2009

世間では「カツマー」的な人が増えていると言う。カツマーとはご存知
勝間和代さんにあこがれて、自己研鑽に前向きに取り組む人たちのこと。

>経済評論家であり、公認会計士。また、3人の子の母でもある勝間氏は、
2005年にはウォール・ストリート・ジャーナルの「世界の最も注目すべき
女性50人」に選ばれるなど、ビジネスマンとしても、女性としてもその
実力を存分に発揮している。
そんな勝間氏に憧れる人や、勝間氏の著書に触発されて勉強する人たちを
カツマーと呼ぶらしい。

http://news.livedoor.com/article/detail/4007427/

草食系だとか引きこもりなんかに比べたら実に前向きな人たちだし、
いいことじゃないかとも思う。けど、確かに生理的に受け付けないものが
あるのも事実。そんなわけで「反カツマー」なる人たちも現れている。

>勝間さんに憧れ、努力すれば成功すると思っているカツマー。
一方、「勝間和代を目指さないほうが幸せ」と真っ向から反論して
いるのが、精神科医の香山リカさんだ。

http://www.j-cast.com/2009/09/12049480.html

まあ二人の戦いはどうでもいい。

むしろこうした現象がなぜ起きているのかという背景と、その結果失って
しまっているものが何かに興味がある。

そんなことを感じて新たな本を書かれたのがゼロックスKDIの野村さん。
http://profile.ameba.jp/glocom/
http://www.fujixerox.co.jp/solution/kdi/

野村さんとはこれまでにも何度かお会いして知識創造やイノベーション
についてのディスカッションなどをしたこがある。昨日、新著に書かれている
内容を題材にワークショップが開催されると言うので参加してみた。
とても刺激を受けた。

新著は
「裏方ほどおいしい仕事はない! 肩書より10倍役立つ「事務局力」実践講座」
というもの。

http://www.president.co.jp/book/item/322/1919-2/
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/10/post-1096.html

「事務局力」とは何か?

ここでいう事務局とはいわゆるプロジェクトやイベントなどの事務局のこと。

多くの人が事務局と聞いて浮かべるイメージとは
・面倒
・いやいやさせられる仕事
・損な役回り
・雑務
・誰にでもできる仕事(実はそうではないけれど)
・見えない苦労が多い
・うまくできて当たり前
・でも、やっても評価されない
・しかも、失敗したら責められる
といったもの。

だが野村さんはこの「事務局」こそが組織を変える上でもっとも大切な人たち
であり、この仕事こそがイノベーションを起こすための突破口だと訴える。

自分の経験に照らしてみても、事務局が組織変革において大切と言うのは
その通りだと思う。確かに事務局と呼ばれる人たちのモチベーションや行動に
よって組織変革の成否は大きく変わる。事務局は決して表で活躍するわけでは
ないが、いい事務局は変革の道筋を創りだす。そしてリーダーや参加者はその
道筋をさも自らの意思で歩いているかのように進んでいく。結果として
プロジェクトは清々とゴールへと向かっていく。

つまりもしも本当にその組織で変革を起こしたいのであれば自分が社長に
なるのを待つなどと悠長なことを言っているのではなく、何の権限もない
事務局になってしまえばいいというのが野村さんの自論。

これは冒頭に紹介したカツマーとは対極的な生き方。

カツマーは
・自分の評価を高めることに関心があり
・そのためにも自分の能力の成長に関心があり
・いかにして生産性を上げて
・効率的に成果を出すかに注力する
・自分のアイデアの実現のために
・黙々と一人で頑張る
・そして自らシュートを放ちゴールを狙う

こういう人たちにとって事務局などと言う仕事は誰からも評価されない
もっとも無駄な仕事であり、絶対に避けたい仕事である。

これに対して事務局と言われる人たちは
・他の人をやる気にするために汗をかき
・自ら率先してムダ働き、ただ働きを行う
・どうすれば他の人を引き立てることができるかを考え
・皆がやりたいと思っていることの実現に力を発揮する
・そのためには多くの人の参加を求めて
・相手の力を借りてそれが実現できるように段取りする
・自らシュートを打つのではなく良いパスを回す
・アシストに徹する

どちらが自分の性に合っているかとか、好きな生き方かと言うのは
人それぞれの問題なので、単純にどちらが良いと言うことでもないと思う。
けれど組織の中にカツマー的な人ばかりがいれば組織はうまく回らない
だろう。そして実は多くの組織で今、そういった現象が起きている。

成果主義や能力評価が行き渡り、リストラが頻繁に行われて終身雇用が
保障されないことでいかにして自分の成果を出し、能力を高め、どこで
でもやっていけるようにするかに皆があくせくしている。結果として
組織内ではパス回しはされず、全員がボールを持ってドリブルしている
変則的なサッカーのような状況になっていると野村さんは言う。

「だれか一人が自分のボールを外に出して、誰かのボールを受け取って
あげればワンツーパスで簡単にデフェンスを抜いてシュートが打てるのに
皆が自分一人の力だけでシュートを打とうと躍起になっている。」と言う。

そうなのかもしれない。

だからといってカツマーを責める気にもなれない。
そうしなければ取り残されるかもしれない不安の中、一生懸命研鑽して
いるんだから。まあ、やっぱり好きにはなれないけど。(笑)

それにしても、事務局は報われるかと言うとたいていの場合トンビに
油揚げをさらわれる宿命。それじゃあ気の毒じゃないかとも思う。
けれどそういう人たちがいることで組織としては結果を生むことが
できるし、そういう人がいなければ結果が出せなかったりする。

ひょっとしたらパス回しをする人どころか、事務局と言う人たちは

「チームを勝利に導く、気が利く女子マネ」

のような存在なのかもしれない。ボールに触ることすらないがその人が
いるからチームは一つになれ、最大の能力を発揮することができる、
そんな大切な存在。

それって実は凄く良くできた真のリーダーなんだと思う。
そういう人が社長だと会社はうまく行くんじゃないかなぁなどと思う。
少なくともただシュート!、シュート!と叫んでばかりのチームよりは
一人一人が生き生きと動き、結果も伴うのではないだろうか。

組織が結果を出せないとしたらその背景にはこんな現象が起きているから
なのかもしれない。これは個人の問題ではなく組織構造の問題として
捉えなくては対応することはできないだろう。
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