プラカデミア・サロン―社会企業家に学ぶイノベーション行動研究プログラム

社会起業家は、福祉、教育、環境、地域などの分野の社会的不均衡に気づき、それを是正するために、社会の潜在的な知識やリソースを活用し、人のネットワークを連鎖させながら事業を行う人たちです。
彼らの知識やリソースは、オープンエンドな他者との対話から形成され、強い動機から始まる一連の事業化行動は、企業のイノベーションを考える場合に大きなヒントとなります。
イノベーション行動科学では、社会起業家の活動を調査・分析し、そのイノベーション行動のメカニズムを明らかにしていきます。さらに、社会起業家の生活者の視点とビジネスパーソンの事業者の視点の交差から、イノベーションの原動力を見いだせるという仮説を立て、両者の対話とリサーチを行うプラカデミア・サロン for Social Innovationを実施しています。

○コンソーシアム型共同研究プログラム プラカデミア・サロンとは
「プラカデミア」とは、実務家(プラクティショナー)と大学関係者(アカデミア)からなる造語です。本サロンは、GLOCOMイノベーション行動科学の分科会として2008年度から発足し、実務家の実績と研究者の研究成果を活かした新たな実践の創造を目指しています。
担当研究員:服部篤子(はっとり・あつこ)
国際大学GLOCOM客員研究員/CAC-社会起業家研究ネットワーク代表
非営利セクターと営利セクターはなぜ分離しているのだろうか。非営利セクターが慈善活動を行い、営利セクターはそれを支援する側、という立場から、双方がアイデアと資源を出し合い、社会の問題を解決していく関係へとつながりを強化していくことが「社会イノベーション」の実現につながるのではないだろうか。これは、社会起業家の普及活動を推進してきた過程で抱いた素朴な想いである。そもそも、研究と現場は不可分という考えに基づいて活動を行ってきた。そこで、大学関係者(アカデミア)と実務家(プラクティショナー)をかけあわせた造語、「プラカデミア」という言葉を用いた対話の場を提供することにした。海外の論文を紹介し、活躍する社会事業のリーダーの話を聞くことで日本でも、既に個人と社会、個人と組織に起こっている新たな潮流を実感してもらえるだろう。今年は、次のステップとして、より具体的な社会イノベーションへのプロセスを共有してもらいたい。
【主な経歴】大阪大学大学院国際公共政策研究科博士前期課程修了。国際科学振興財団専任研究員、総研大スコープ・プロジェクト研究員などを経て、2001年、CACを設立。「社会起業家」の普及に努める。国際共同研究プログラム、企業との協働による人材育成プログラムなどを推進。NPO論、社会起業家論、兼任講師(立教大学大学院、明治大学、明治学院大学)。『ボランティア革命』(共著, 東洋経済新報社)、『NPOデータブック』(有斐閣) など著書多数。